FC2ブログ

--------(--)

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

2009-04-13(Mon)

愛しき薔薇の真実を

今日はうみねこSSを投稿しようと思います。
といっても、新作ではなく、公式にのせたものなんですけどねw
SS書くのからちょっと離れようかと悩んでた時期に書いたものなんで、普通より思いれがあったりしますw
少しだけ今の私らしくない、ちょっと昔の私の文に戻ったような感じのSSになってたりします。
それにしても、ブログの文章が掲示板の時の文章と同じ感じになってますね(汗
慣れれば変わるのかしらw

あ、最後にコメントへの返信もありますです(一件)。

「愛しき薔薇の真実を」



ある一人の少女の話をしよう。

彼女はとても可哀想な子。父親がおらず、母親も仕事や他の事で家にいないことが多い。その特異な言動から友達もいない。

「いつも一人ぼっちの、愛情を知らない可哀想な子」

象徴めいた印象(レッテル)は独り歩きする。

傍から見れば、育児を半ば放棄した母親。
そう映っていたかもしれない。
けれど、もしかすると本当に仕事で忙しかったのかもしれない。
男と一緒に旅行に行ったのだって、父親という存在を娘に与えたかっただけかもしれない。
娘への過度の叱責もただ、本当に娘に普通に生きてほしかっただけかもしれない。
けれど、虚構と真実は紙一重。植えつけられた印象は真実を侵食する。

傍から見れば、愛情に飢えた可哀想な娘。
そう映っていたかもしれない。
けれど、彼女はいつも言っていた。
「お母さんがプレゼントをくれた」
「いつも遅いけど、今日は早く帰ってきてくれて一緒にご飯を食べに行った」
「お母さんは私のために頑張っている」
彼女にとっては真実とは本当にそれだったのかもしれない。
けれど、現実と真実は紙一重。植えつけられた印象は現実を、悲しき真実へと変貌させる。

これは彼女たち親子だけに起こりうることか。
答えは否。本人の真実と、周囲の真実が異なることなんて日常茶飯事だ。

普通を求めた母親と、普通を知らなかった少女。
微かな擦れ違いの積み重ね。
ただ、それだけの話だったのかもしれない。
だが、迷走した真実は、憶測を呼び、現実を侵食する。
親子の在り方も変貌していく。

少女は愛を知っていた。
少女は愛を信じていた。
それを疑わせてしまったのは、周囲の人間・環境・言葉だったのかもしれない。
だが、それを罪とは言い切れない。周りから見れば、それは確かに真実だったのだから……。

商店街での彼女はいつも憐みの目で見られていた。
本人がどう思っているかは関係ない。
夜遅く独りで買い物に来る女の子。

「うー、うー、ママは頑張ってるんだよ。だから真里亜もいい子にしてなくちゃ」

「うりゅー、うりゅー、真里亞いい子♪さくたろーも一緒にいい子にしてる」

いつもリュックの中のぬいぐるみと話している女の子。
母親を必死で庇う女の子。そんな印象だけが残っている。

商店街の店主曰く、

「一人でぬいぐるみと話してて、いつも笑顔だけどその笑顔が痛々しくて……。どうにか支えないとなと思っていた」

少女は確かに愛されていた。それが同情・哀情という名の愛情だったかもしれないが。商店街の者たちは彼女をどうにか普通の笑顔にさせたかった。その為にどんな行動をとったとしても、彼らにとってはそれが真実。

学校での彼女は、いつも独りぼっちだった。その独特な言動周、囲とは違う趣味は子どもたちの残酷な無知の前では恰好の的だった。子どもたちはもしかしたら責められるべきだったかもしれない。けれども、閉鎖された空間は独りの少女を悪者に、孤独にさせていく。

或る子ども曰く、
「だっていつも人形とかと一人で話してるし、なんだかわからない言葉ばっかり言うんだもん。僕たちだって仲良くなれればとは思ってたけど……」

それが本心だったかはわからない。それでも彼にとっては言葉に出たそれが真実だったのかもしれない。

学校の教師曰く、

「友達を作ろうとしないけど、何故かいつも笑顔だった。相談に乗れなかったことはとても残念だったけど。本人はそれでもいいと思っていたのかもしれない」

周囲から見れば、何の行動も起こさなかった怠慢な教師と移るかもしれない。けれど、教師にとっては本当に少女が幸せに見えたのかもしれない。それも真実。それを罪とするか否かは、本人と周囲が決める、それもまた真実。

真相はわからない。
いや、どの言葉もその人にとっては真実。

彼女は自分を魔女の弟子だと言っていた。
それは彼女にとっての真実。
もしかしたら、本当に彼女は魔女だったのかもしれない。
だって、現実を自らの真実で塗り替えてしまえるのだから。
だけど、それは特別なことだろうか。
このすべての世界に本当の現実なんて存在するのだろうか。
だれもが自分の中の真実で現実を作り出している。
なら、彼女は本当に一人の孤独な、特別な存在だったのか?
けれど特別だという印象はそのまま彼女に反映されていく。


いつからか少女はぬいぐるみを連れて歩かなくなった。
それでも少女は笑顔だった。
だけど、誰が見ても以前よりも弱々しかった。

それでも少女は「自分は幸せ」だとかたった。
それが語りだったのか、騙りだったのか。
それは少女本人にすらわからないのかもしれない。



----------------------------------------

真里亜は幸せ。
ママはやさしい。
いつも忙しいけど、それは真里亞のため。

当り前のことなのに……。
いつからだろう。その言葉が繰り返し真里亜の頭の中に流れるようになったのは。
まるで言い聞かせるように繰り返される想い。
疑うことのなかった想いは、その事実を認識した時点で疑うべき対象として堕ちる。
きっかけはもしかするとあの日。さくたろうが死んでしまった日だったのかもしれない。

「さくたろうは死んでしまいました」

あの瞬間、確かに真里亜はママに対して黒い感情がわき起こった。
でもあれはママに悪い魔女が乗り移ったから。
だから、ママは悪くない。
黒い感情は悪い魔女に対して抱くものであり、ママに対して抱くものじゃない。

ホントウニ……?
ママガマリアヲアイシテクレナイカラサクタロウガシンデシマッタンジャナイノ?


油断すると、真里亞の中にも悪い魔女がやってくる。
そんな時は幸せの魔法を繰り返す。
真里亜は幸せ。だからいつも笑顔。
悪い魔女に乗っ取られないように頑張らないと。
悪い魔女と真里亜は別なのだから……。


六軒島に来る前に、ママにお菓子を買ってもらった。
大切な大切なママからの贈り物。
ほら、ママはいつもやさしい。
うー、うー。幸せの魔法。
大切にしなきゃ。

ソレッテホントウニトクベツナコトナノ?
ホントウニシアワセナコトナノ?

まただ。また真里亜の中の悪い魔女が現れる。
疑っちゃだめ。だって本当に真里亜は幸せなんだから。
信じて、愛を信じて。


ママに怒られた。
うー、うー。言ったらダメだって。
でもママ、これはママとの仲良くなる魔法。
真里亜は悪い子。いい子にしないと。
だから、
うー、うー。幸せの魔法。
ほら、セカイはこんなに綺麗だよ。

ソレハホントウノセカイ?
ゲンソウモウソウソンナイツワリジャナイノ?

違う。真里亜は幸せ。セカイは奇麗で優しい。
信じて。愛を信じて。


萎れた薔薇が目に入る。
なんだか可哀想。
薔薇って愛情の象徴だよね。
それなら真里亜が幸せを分けてあげる。
うー、うー。幸せの魔法。
真里亜の薔薇が元気になりますように。

マルデマリアタチオヤコミタイ……。
シオレタアイハナオラナイ……。

違う違う違う。
確かに真里亜達は一回喧嘩しちゃったけど、今はもう仲良し。
だから幸せ。
信じて。愛を信じて。


真里亜の薔薇がなくなった。
愛がなくなっちゃった。
風で飛ばされたってみんないうけど、それは違うよ。
真里亜が悪い子だったから。
悪い魔女にもって行かれっちゃったんだ。
探さないと。真里亜の薔薇を探さないと。
うー、うー、幸せの魔法。
愛を探すの。絶対見つけるの。

ナクナッタアイハトリモドセナイヨ……。
モウドコニモアイハナイヨ。

絶対見つける。
薔薇は真里亞とママを繋げる愛。
薔薇(ローザ)の中の薔薇(マリア)。
愛の象徴。家族の証。だから絶対見つけるの。


真里亜の薔薇が見つからない。
見つからない、見つからない、見つからない。
ママに怒られた。何で怒るの。真里亜は嘘を言ってないよ。
真里亜は悪い子?
だから怒られるの?
だからサクタロウヲコロサレタノ?
だから薔薇がなくなったの?
うー、うー、シアワセノマホウ。
目の前にいるのはワルイマジョ。

ホライッタデショ。
アイナンテナインダッテ。

真里亜の中にも悪い魔女。
違う。真里亜は幸せ。真里亜は愛を持っている。

マリアハシアワセナンカジャナイ。アイモシラナイ。

違う違う違う違う違う違う。
真里亜は幸せ。愛を持っている。

マリアハシアワセナンカジャナイ。アイモシラナイ。

ああ、悪い魔女がどんどん大きくなってくる。
目の前の悪い魔女もどんどん大きくなってくる。


もういいかな。信じられなくなっても。
ずいぶん前からわかってたよ。
それでも取り戻せるって信じてた。
さくたろう、ごめんね。
さくたろうとの約束、守れなくなっちゃった。

「うりゅー、真里亞とママはいつも仲良し。さくたろうも一緒に仲良し。ずっと仲良し、約束♪約束♪」

いつかした約束。仲良しだって。いつかさくたろうも加わってまた3人で仲良くなれるって。ずっと信じてた。悪い魔女なんかに負けないくらいに信じてた。
でも、もういいよね。
だって、さくたろうは死んじゃった。
ママは悪い魔女に乗っ取られた。
真里亜も悪い魔女になっちゃう。


真里亜は原初の魔女。0から1を作り出せる。
でも、愛は作れない。だって、みんなが信じないと起こらない奇跡だから。
さよなら、ベアトリーチェ。さよならマリアージュ・ソルシエール。
幸せの魔法。もう必要ないね。

うー、うー、最後の幸せの魔法。

なんて……、幻想……。


-----------------------------------------

1986年、その日何が起きたのか真実を知る者は誰もいない。
想像に妄想、真実と虚構。
真里亜の日記。それを見た私は彼女の想いを知る。
なんて悲しい。なんてさびしい物語。
彼女は幸せの薔薇を最後まで探していたのだろうか。
だけど私はあなたを憐れまない。ずっと愛を信じていたと信じているから。
いつも笑顔のあなたを胸にずっと刻んでいく。
それが私からあなたへの愛。


-------------------------------------------

とある場所にひっそりと佇む墓標。
在る事件の被害者たちを弔う墓。
そこには毎年真っ赤な薔薇が置かれている。
供養には不釣り合いな花。しかし、それが途切れることはなかった
誰がそれを供えるのか。それは誰にもわからない。
だけど、ずっと途切れずに、まるで何かを信じるようにずっと、ずっと続いていく。
愛しき薔薇よ、永遠に……。

終幕




自分なりの「うみねこ」SSを書いてみました。
テーマはあったりしますが、伝えきれてるかはそこはかとなく自信がなかったりします。
読んでくださった方の感じたことが真実なのかなと思ってます。
うーーん、やはりというかなんというか、起と結に重きを置きすぎて、承と転とのつながりが微妙というか曖昧な感じが。
あとは、心情表現を短文つなぎで間にカタカナを入れることで、テンポと変化をだそうと思ったんですが、果たして成功しているのかなー。これからの課題ですねw

長くなりましたが、以下返信です。




●ikui様

>こんばんはー。
>ブログ開設おめでとうございますw

ようこそですーwありがとうございます。

>SS制作がんばってくださいねw
ikiさんみたいにいろいろといっぱい書いていきたいですね。
一騎打ちはホントに時間と発想があったらになっちゃいますけど。

>では短いですがこれからもよろしくお願いしますw

またお待ちしておりますーw

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

コメント

No title

こちらでははじめまして。
挨拶が遅れましたが、ブログオープンおめでとうございます!
SSの方拝見しました。
読んでいて、思ったのですが、真里亞が純粋すぎるから、黒き魔女を排除しようとしていますが、ep2のラストでは真里亞が良いママ悪いママがいるのではなくたった一人のママがいるつまり清濁合わせて受け入れる事で真里亞が成長していくのだな。
白黒さんが言われる受容と信頼がテーマなのでしょうか。
こちらのSS真里亞が脱皮するため、葛藤しているように思いました。

成長過程を描いた素晴らしい作品ですので、宜しければ以前のイラストSSコンビ企画のと合わせて次女一家応援スレへ紹介して頂けないでしょうか。
ブログでの活躍を期待しています。
それでは失礼します

No title

初めまして、遠野です。
私のブログにご訪問して頂いたので、
こちらにも顔を出してみました。

最新記事にコメントしようと思ったんですが、
うみねこの話があったので、つい読んでしまいました。

懐かしい……。
またゲームをやりたくなりました。
カレンダー
07 | 2018/08 | 09
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31 -
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード
リンク
ブロとも一覧

扉の中の部品たち

無色の翼、鳥は何処に向かうのか?
検索フォーム

FC2Ad

Powered by FC2 Blog

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。