FC2ブログ

--------(--)

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

2011-06-18(Sat)

螺旋回廊

書き溜めていた短編第二段をぺたり。
前回の陽炎に拍手&コメして頂いた方、ありがとうございましたーw

最近の出来事をば。
また転勤です、しかも10月(汗 締め切り大丈夫かしら(遠い目

仕事的にはステップアップの意味合いが強いので、喜ばしいことではあります。
10ヶ月、長くはないと思いましたが、今の場所はほんとに短かったですねー。

追記にて短編掲載しております。
「螺旋回廊」

咎は人を狂わす。
罪は人を縛る。
罰は人を狂わせる。

つまり、これはそういうこと。
僕という人間の終わり。
ボクという物語の始まり。


深々と降り注ぐ雪に、僕は足を止め空を見上げる。舞い散る雪にほぅと息を漏らす。

「ねえ、シンちゃん、寒いねぇー」

隣から僕の彼女が声を掛けてくる。それに対し、そうだね、と心ここにあらずといった調子で応える。

「もう、シンちゃんちっとも聞いてないんだからー」

 横目でちらと見ると、彼女はぷんと頬を膨らませながらぷいとそっぽを向く仕草をしている。さすがにまずいと思い、僕は彼女のほうを向き、頭を撫でる。
くりくりと撫で回していくと、彼女は次第に頬を赤らめながらくすぐったそうに笑い出す。
 まあ、いつもどおりのやり取り。

……なんて、くだらない。

 僕の心の中はいつもどんよりと暗い。別に彼女のことが嫌ってわけじゃない。むしろ好きな部類に入るだろう。だけど一緒にいたっていつも疲れる。彼女だけではない。誰と一緒の時でも同じ。
 そして、それは一人の時でさえ同様。何もかもが暗い。僕のセカイはいつも真っ暗だ。
 そんな僕だが、空を見上げることは本当に好きだった。さっきだって彼女を放って、雪空を見上げていたくらいに。
 彼女と別れ、また空を見上げる。先ほどと変わらない真っ白な雪。それが僕の暗い心を白く染めてくれるんじゃないかと、ありもしない幻想を抱く。

「それこそくだらない」

 今度は声に出してそう呟く。どうせ誰も聞いちゃいない。人はそんなに他人に対して興味を持ったりはしない。僕だって誰かの独り言なんて聞いちゃいない。そんな無為な作業なんてしたくもない。本質的に僕は他人に興味なんてないのだ。

「何がそんなにくだらないの?」

思考の中に没頭していた僕にいきなり声を掛けられる。いつの間にか隣に一人の女性が立って僕の方を見上げてきていた。は、いたよここに。誰かの独り言に耳を貸すような人間が。物好きだなぁと思ったが、まあその道楽に付き合うのもまた一興だろうと思い、

「まあ、人生のいろいろっすよ」

へえ、とあまり興味もなさそうに聞き返してくる女性。

「そんな人生終わっちゃえばいいって?」

人生が終わる?それは死ぬってことか。それなら死にたいとも思わないが。

「いや、そこまでは思っちゃいないですよ。 まあ、何もなくただ平坦な人生なんてつまらないと、ただのモラトリアムのような麻疹のようなもんっす」

「そ、君くらいの年にはそんなことも思ってたかもね。 だったら、変えてみる?」

「変わるものなら、ですね。 それこそ、僕にそんな決意も何もないんですから」

ふふっ、と笑い、話は以上というように、女性は立ち去っていく。何だったんだ、と思いながらも、すぐにどうでもよくなり、僕は帰路に立つ。

それが、僕の咎。

 次の日、僕の周りは一変していた。何故か彼女に怒られ、友達からは囃し立てられたり、軽蔑されたり。理由は誰も話してくれないが、昨日の女性との出会いが何故か変な方向に勘違いされて広まっているようだ。
 彼女にも友人にもそれとなく弁解、というより真実を話したのだが、怒られたり泣かれたり、呆れられたり、嘲笑れたり、反応はそれぞれだったら、皆信じてはくれていなさそうだった。半ば疲れ果てながら、それ以上の弁明は止め、時が解決するだろうと、彼女とも友人とも距離を開け過ごすようになった。
 距離というのは不思議なもので、開けば関係は途端に希薄となる。確かに時が解決するかのようにいろいろな噂はなりを潜めたが、彼女との関係は解れた糸が絡まり続けるように噛み合わなくなっていった。そんな関係に疲れて、やはりそれまで以上に距離を置くようになる。

それが、僕の罪。

 しばらくして、彼女の親から電話が掛かってきた。彼女が家から出て行ったという。僕は心当たりを手当たり次第に探した。嫌な予感がした。冬だというのに変な汗が止まらない。しかし探せど探せど彼女の姿はどこにも見当たらない。最後の最後、思いついた場所は彼女との出会いの場所。
 辿り着いた先には彼女がいた。いや、彼女だったモノがあった。傍に近づいた時、既に手遅れであることに気付く。雪で真っ白な地面に真っ赤な紋様。横たわる彼女が一層儚く感じてしまう情景。いや、儚いなんて嘘だ。それは既にそんなレベルではなく、既に無いものなんだから。
 どうして、とは思わなかった。彼女の遺書があったところで、そんなものを読まなくたってわかる。これは僕のせいだと。

「ははは」

無性に笑いが込み上げてきた。

「満足した?」

嗤い続ける僕にいつか聞いた声が掛けられる。振り向き、その声の主の顔を見たときに、僕はようやく気付く。僕の咎と罪に。なんで、と訊こうとしたが先を越す形で声の主、いつか会った女性は口を開く。三日月形の口元が嫌に厭らしく僕を嗤っていた。

「なんで、なんて聞かないでね。君が望んだんだよ、平坦な人生なんてつまらないって。 だから平坦じゃなくしてあげたの、セカイの主人公にしてあげたんだよ」

いつかの私みたいにね、とそう付け加えながら彼女は嗤う。

「ははは、これが僕の望んだことだっていうんですか」

なんて……虚しい。

「そ、だから次は君の番、つまらないセカイから抜け出したんだから、他の人も同じようにしてあげなくちゃ」

貴女と同じようにですか、そう訊いた僕に彼女は嗤い声で応える。

「ワタシの物語はここでオシマイ。ここからはキミの物語」

彼女は嗤いながらどこか遠くに消えていくように去っていく。それを見送りながら僕も同じように嗤う。
さて、これからどうしようか。ボクの物語は始まったばかり。
彼女の血溜まりに鈍く浮かぶ僕の口元は三日月形の嗤いを残していた。







ここまで読んでくださった方、ありがとうございます。
何やら、よくわからない方向に発展していった作品でしたw

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

コメント

カレンダー
07 | 2018/08 | 09
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31 -
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード
リンク
ブロとも一覧

扉の中の部品たち

無色の翼、鳥は何処に向かうのか?
検索フォーム

FC2Ad

Powered by FC2 Blog

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。